3月に滞在したドイツでの小さな出会い。ステキな思い出なのでFBに投稿したものをBolgにも残します。
機会がなければ、さっと通り抜けてしまうような小さな町、黒い森、シュヴァルツヴァルドの西端のヴァルトキルヒ。今回はシェッフェルホフという小さなホテルに泊めていただく事になった。
ホテルの地下室に営業しているかは定かでない常連さん用の酒場があって、親切にも昼間誰も使ってないので、音出しても良いというので、ピアノ合わせのない時間に個人練習をさせてもらう事にした。
1日目が過ぎ、2日目、ふと後ろを振り返ると小さな女の子を膝に乗せて受付の女性が座って聴いていた。きれいな音が聴こえてたので、娘に聴かせたくて…。
小さなレディに”こんにちは!音楽は好きなの?”
“あたしピアノ練習してるの!”
なんて話していると、お母さんが、そろそろ行きましょうね。チュッス!
しかし5分も経たないうちに、今度は一人で現れて、椅子にちょこんと座っているので、 にっこり笑いかけると、堰を切ったようように、”あのね、質問があるんだけど!、それ何の曲?
“ヤナーチェクさんていって、チェコの人が書いた曲なんだよ”
“よくわかんないだけど…”
“私が知ってるような歌って弾けないの?”(さあ来た!こうなるだろうなぁとは予想してたけどね〜。)
“じゃあね、お嬢ちゃん、先に僕のために何か歌ってくれたら、弾いてあげるよ!”
そうしたらどれにしようか考えながら、”こぎつねコンコン、山のなか〜”って歌ってくれた。
そうだ、これドイツ民謡だったよね!こっちも彼女の声に合わせて一緒に弾くと、目を輝かせて、今度はこれって、チョウチョ、チョウチョ菜のはにとまれ…って歌ってくれたので、これも一節一緒に弾くと、さっと走って消えてしまった!
さあ、やれやれ練習しよっと!始めると、今度はイースターのお休みでうちにいた、パパの手を引張って来た。パパに聴かせたかったんだろうね〜。こぎつねとチョウチョをまた一緒にパパの前で歌うと、パパが”はい、歯みがきの時間だよ!って手を引張って上にあがりかけると、”Jetzt kannst Du üben! Chuss!”(じゃ、今からちゃんと練習できるからね!バイバイ!)だって(笑)
“ハイハイ、ありがとうね!”と言うとパパが
“こっちの方からありがとうって言わないとね”って笑いながら、階段をのぼって消えた。
しばらくして、楽器を担いでリハーサルに向かうと、ホテルを出たところで、別の女性が、
“もう、あなたの小さなファンができたみたいね!”って笑いながら声をかけられので
“ありがたいことですわい”
と子供の無邪気さを大人同士堪能しあったのでした。
(時差ぼけで早く目が覚めてしまっての暇つぶしでした。長々ご静聴ありがとうございました。もう少し寝ないと!)
2016年3月29日
こぎつねこんこんのドイツ語対訳に続く→
Fuchs, du hast die Gans gestohlen, <繰り返し> Gib sie wieder her, <繰り返し>Sonst wird dich der Jäger holen Mit dem Schießgewehr. |
キツネ!お前はガチョウを盗んだ! <ガチョウを返すんだ> <さもないと鉄砲を持った猟師を連れてくることになるぞ!> |
Seine große, lange Flinte <繰り返し>Schießt auf dich den Schrot, <繰り返し>Daß dich färbt die rote Tinte Und dann bist du tot. |
猟師の大きくて長い鉄砲で <お前を撃ったら> <お前は真っ赤に染ってそんでお前は死ぬのさ> |
Liebes Füchslein laß dir raten <繰り返し> Sei doch nur kein Dieb <繰り返し> Nimm, du brauchst nicht Gänsebraten, Mit der Maus vorlieb. |
だからかわいいキツネちゃん忠告しておくよ <頼むから泥棒にならないでおくれ> <お前さんは別にガチョウのローストを食べなくてもいいだろが、野ねずみでいいじゃないか> |
日本語は本当にマイルドですね。
こぎつねコンコン やまのなか やまのなか
くさのみつぶして おけしょうしたり
もみじのかんざし つげのくしこぎつねコンコン ふゆのやま ふゆのやま
かれはのきものじゃ ぬうにもぬえず
きれいなもようの はなもなしこぎつねコンコン あなのなか あなのなか
おおきなしっぽは じゃまにはなるし
こくびをかしげて かんがえる