クライネス・コンツェルトハウス弦楽四重奏団

「音楽の友コンサートベストテン2010」 音楽評論家・渡辺和彦氏 絶賛の第1位!
クライネス・コンツェルトハウス四重奏団は、ザルツブルクで活動していたヴァイオリンの三戸素子とチェロの小澤洋介を中心とするカルテット。彼らは日本でもう15年以上も活動を継続中で、ここ2、3年は特定ファンが増えてきた。近年この世界は、コンクール制覇組によるアンサンブル重視。没個性の管理型(?)団体ばかりが増殖中で、彼らのような第1ヴァイオリン引率型は今では貴重。ウィーン古典派周辺の音楽や旧東欧系の作品は、このくらい個性的なリーダーが全体を引っぱったほうが曲の真価がストレートに伝わる。当日はop.76の2《五度》とヤナーチェクの第1番《クロイツェル・ソナタ》、ベートーヴェンの第12番が演奏され、ベートーヴェンのアダージョ楽章はまさしく無限変奏にきこえる緻密で感動的な演奏。ヤナーチェクは他の3人も含めた“爆演”だった。「2010ベスト・ワン」の趣旨と異なるが、ここで強く推薦、紹介しておきたい。 (音楽の友 2011年2月号より全文)

 


〜プロフィール〜

三戸 素子 (ヴァイオリン) Motoko Mito

桐朋学園大学卒業後、81年渡欧。ザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学卒業。「ザルツブルク国際モーツァルト週間」でソリストとしてデビュー以来、ヨーロッパ全域の音楽祭や音楽協会主催のリサイル等で演奏している。ハンマーフリューゲルとのモーツァルトのソナタ全曲、ブラームス及びベートーヴェンのソナタ全曲、ハンガリーにてバルトーク等に取り組んできた。国内外でコンサートマスターとして、またソリストとしてオーケストラとの共演も多数。室内楽でもNYカーネギーホールをはじめヨーロッパ、北米、アフリカ諸国で演奏。「クライネス・コンツェルトハウス」を主宰、CD録音ほかNHKFM、オーストリア国営放送等世界各国の放送に出演。毎日学生コンクール審査員等、後進の指導にもあたっている。

水村 浩司(ヴァイオリン) Koji Mizumura

東京芸術大学音楽学部また大学院修士課程を卒業。北垣紀子、故久保田良作、澤和樹、山口裕之、松原勝也の各氏に師事。1996年全日本学生音楽コンクール名古屋大会小学校の部第1位、2001年同コンクール高校の部第1位。ソリストとして東京シティフィルハーモニック他数々のオーケストラとヴァイオリン協奏曲を共演。2001年及び2003年には名古屋にてリサイタル開催。また2008年、クラリネットの原田綾子、ピアノ水村さおりとアンサンブルオラシオンを結成。トリオ演奏会を行う。名古屋フィルハーモニー交響楽団ゲストアシストコンサートマスターを務め、2011年には全日本選抜ユースオーケストラのゲストコンサートマスターとしてウィーンのシュターツオーパーで公演する。現在東京室内管弦楽団首席奏者。

河野 理恵子(ヴィオラ) Rieko Kohno

東京芸術大学音楽学部器楽科卒業。ザルツブルグ・モーツアルテウム夏季講習会、ニューヨークに於いて、P.ドクトール氏に学ぶ。87年デビューリサイタル、芸大室内楽定期演奏会、神奈川新人演奏会に出演。神奈川フィルハーモニー管弦楽団に入団、首席奏者も務めた後フリーとなる。オーケストラの客演首席、ソリストとしての共演、各地でのソロのコンサートを行う一方、室内楽奏者としても活動中。音楽祭、TV、ラジオ、ライブ、CD録音等にも参加し、多方面のジャンルで演奏している。又、コンクールの審査や、講師を務める機会も多く、後身の指導にも力を注いでいる。CDは、97年、O.K.S.Q「imagenes y imagenes」、14年、マンドリンと弦楽三重奏「冬のエレジー」をリリース。

小澤 洋介(チェロ) Yosuke Ozawa

トロント大学を経てザルツブルグ・モーツァルテウム音楽大学卒業。ザルツブルグ室内オーケストラの首席チェリストを務めるかたわら、ソリスト及び室内楽奏者としてアムステルダム・コンセルトヘボウ、ウィーン楽友協会等、ヨーロッパ各地で演奏。以来ソリストとしてオーケストラとの共演や指揮、チェロ一本の独奏による「小澤洋介の世界」、またバンフ国際音楽祭招聘アーティスト、NYカーネギーホール演奏会、スイス・ヴィンタートゥール音楽協会のコンサート等に出演、T.レーベンスクロフトとの共演によるベートーヴェンの「チェロ・ソナタ全曲演奏会」をロンドンと東京で行うなど多彩に国際的に活躍。「クライネス・コンツェルトハウス」を主宰。同管弦楽団を率いている。「音楽の友コンサート・ベストテン」に複数回選出。


〜コンサート案内〜